鍼灸施術について
当院の安全対策(衛生面について)
当院では、すべての患者様に対し、安全で質の高い“はり・きゅう”療法を安心してお受けになって頂けるために、マスク・グローブを装着して施術に当たっております。
なお、当院で使用しているグローブは、ラテックスおよびパウダーフリーで、一般医療機器としての医療用検査用ニトリル・グローブ(グレイシアゼロ®)を用いております。
そのため、ゴム特有の臭いがなく、粉が出ないため、まるで素手のような感覚です(グローブ装着時も細かい技術は可能です)。
滅菌された“はり”を体内に刺す施術のため、(公社)全日本鍼灸学会からも推奨されております、鍼灸医療安全ガイドラインに基づき、最新の方針で施術致します。
ご理解のほど、宜しくお願い申し上げます。
適応症状
各部位の痛み・疲れ・しびれ・麻痺、機能異常・障害などでお困りの方が対象となります。
頭と顔の症状
◎頭痛(片頭痛含む)◎軽度の耳鳴り ◎疲れ目 ◎鼻閉 ◎のどの痛み ◎顎の痛み ◎歯のうき ◎顔の麻痺・しびれ・むくみ など
首・肩・腕・背中の症状
◎首の痛み・こり ◎寝違え ◎肩の痛み・こり ◎五十肩 ◎肘の痛み ◎腕の痛み・だるさ ◎手の痛み・しびれ ◎背中の痛み・はり など
腰と足の症状
◎腰の痛み ◎股関節の痛み ◎膝の痛み ◎足の痛み ◎足のしびれ ◎足のむくみ
◎足の疲れ ◎こむら返り ◎ねんざ など
産婦人科系の症状
◎生理痛 ◎冷え性 ◎月経困難 ◎ 産前産後の諸症状 ◎ 妊娠中の諸症状(つわり・腰痛など) ◎ 不妊治療に伴う諸症状 ◎更年期障害
内科系の症状
◎食欲不振 ◎胃の痛み・もたれ ◎二日酔い ◎吐き気 ◎乗り物酔い ◎お腹のはり
◎便秘 ◎頻尿 など
その他の症状
◎イライラ ◎めまい・ふらつき ◎不眠 ◎動悸 ◎ ストレスや緊張、不安などによる諸症状など
鍼施術は痛くない?
鍼はほとんど痛くありません!
1. 皆様が日ごろ目にする針(注射針や裁縫の針)よりも非常に細い針で髪の毛程の細さです。とても細くて痛みを感じることはほとんどありません。
2. 鍼の先端が丸みを帯びており、抵抗を少なくしているため、スムーズに刺さり、ほとんどの場合、つらい痛さが感じにくくなっております。
※当院では、国産のディスポーザブル鍼(使い捨ての鍼)を使用し、安全性の高い鍼施術を提供しております。
(鍼の詳細はセイリン社のサイトをご覧ください)
鍼灸治療について
東洋医学は、伝統的に全人的医療を基本とした診療体系をとっており、二千年以上前の中国で誕生した世界最古の伝統医療といわれている。東洋医学の治療法には、黄河流域で発展した鍼灸治療と楊子江流域で発展した湯液(漢方薬)に大別される。鍼灸治療は、経絡経穴理論を論拠に機械的刺激である鍼治療と温熱的刺激である灸治療により、生体の機能を調整する治療法である。
鍼灸治療は、562年頃に仏教とともに中国から日本へ伝えられたと言われている。その後、特に江戸時代から明治時代初年にかけて、日本の医療の中心であり、大きく発展した。しかし、明治時代以降は、西洋医学が日本の医療の中心となり、現在に至っている。こうした中で1972年に、中国での鍼麻酔を契機に日本でも積極的な鍼治療の研究がすすめられ、1997年には、米国国立衛生研究所 (national institute of health:NIH) の合意形成声明が報告され、世界的に鍼灸治療への関心が高まり、近年、特に欧米においても鍼灸治療の研究がすすんでいる。
現在、日本における鍼灸治療は、物理療法の一つとして、鎮痛効果や循環改善、自律神経や内分泌機能の調整効果が高く、整形外科・神経内科・リウマチ科・麻酔科(ペインクリニック)領域などの多種多様な疾患や症状に対して、実際に鍼灸治療が行われている。 (中澤光弘ほか:鍼治療の実際と注意点.整形・災害外科 52:643-651、2009より抜粋 )
灸治療は、艾を米粒大あるいは半米粒大にひねり、経穴上に置いて着火し、熱刺激を与える治療法である.艾を米粒大、半米粒大に作成する際に、ひねりの技術と細い線香による艾への着火にも技術が必要である.江戸時代には、庶民の間にも灸治療が普及していた.このことは、松尾芭蕉の『奥の細道』にもそのくだりがある。 (中澤光弘、ほか:鍼灸治療の基本と疼痛に対する臨床の実際。プライマリケアのための整形外科疼痛マニュアル(菊地臣一 編)、金原出版、180-187、2007より抜粋)
鍼灸治療の適応症
1979年に、WHOは43疾患を鍼灸の適応症として発表した。その後、 1996年には再検討を行い、49疾患を適応症とし、さらにその後、EBMに基づく検討の結果、現在では37疾患が適応症となっている。自律神経や内分泌機能異常に起因する疾患のほか、疼痛に関連する疾患や症状として、腰痛、慢性機能性頭痛、術後疼痛、神経根性疼痛症候群、三叉神経痛に加え、運動器の慢性痛が挙げられている。また、1997年には、NIHが合意形成声明として、「鍼は術後や薬物療法時の吐き気・嘔吐、および歯科の術後痛に対して有効であり、薬物中毒、脳卒中後のリハビリテーション、頭痛、月経痙攣、テニス肘、線維筋痛症、筋筋膜性疼痛、変形性関節炎、腰痛、手根管症候群、喘息の治療には、補助的ないしは代替的治療法として有用な可能性がある」と発表した。 (中澤光弘、他:鍼灸。運動器の痛みとその治療(菊地臣一 編)ペインクリニック 28(別冊):S512-S522、2007より抜粋)